夏バテ防止に!「飲む点滴」甘酒の秘密【その②】
甘酒は二種類あります。米麹で作られる麹甘酒(ノンアルコール)と、酒粕(アルコール含む)をお湯でのばして砂糖を入れて飲む甘酒です。
私の生まれ育った長野県上田市では、昔から米麹で作られる甘酒を飲んでいます。代々のおばあちゃんがお炬燵で保温してつくってくれていました。当店の甘酒も、米麹だけで作られる「糀あまざけ」を製造販売しております。
では甘酒はなぜ「飲む点滴」と言われるのでしょう。
甘酒には体に必要な栄養素がたくさん含まれています。
①ブドウ糖が主成分
甘酒は、米のでんぷんを麹が持つ酵素(アミラーゼ)が分解しぶどう糖に変わります。ぶどう糖は体内にすぐ吸収されエネルギーになります。すぐにエネルギーになるので夏バテ予防に最適なのですね。ブドウ糖(グルコース)は脳の働きも活発にしてくれるので、朝起きて甘酒を飲むと、脳がすっきりしてきます。
②ビタミンB群が豊富
甘酒にはすべてのビタミンB群がふくまれています。ビタミンには体の調子を整える働きがあります。ビタミンB群は代謝ビタミンとよばれ、私たちが生きるための源であるエネルギーをつくるのに必須です。
③アミノ酸が豊富
甘酒には20種類のアミノ酸がふくまれています。20種類のアミノ酸は、からだの中でつくることのできない9種類の必須アミノ酸と、からだの中でつくられる非必須アミノ酸とに大きく分けることができます。
必須アミノ酸は、毎日の食事から必ずとることが必要とされるアミノ酸です。甘酒には、この9種類の必須アミノ酸がすべて含まれています。必須アミノ酸は細胞分裂を促す働きをします。なので、不足すると皮膚が衰えたり、肝臓機能に障害がでることもあるそうです。
ただし、アミノ酸は体に蓄えることができないので、毎日とる必要があります。
④さらに350以上の物質がふくまれる
近年、麹甘酒の研究が進んできて、腸内のビフィズス菌を増やし、腸内環境を改善することがわかってきました。さらに、麹が糖を分解することによって生成される「コウジ酸」や腸内の善玉菌を増やしてくれる「オリゴ糖」なども甘酒に含まれます。「コウジ酸」は活性酸素やメラニン色素の除去効果があります。
⑤食物繊維が豊富
原料の米麹は食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は、腸内細菌の餌となり、腸をキレイにしてくれる働きをします。
このように、米麹で作られる甘酒はたくさんの栄養素により、夏バテ予防になったり、疲れた時に飲むと疲労回復に役立ったりするんですね。
まさしく「飲む点滴」。
そのほかにも
・甘酒を毎日飲むことでお通じがよくなる(便秘解消)
・甘酒に含まれるアミノ酸の一種が美容によいはたたきをして肌がきれいになる
・腸内環境が改善されることでダイエット効果がある
・腸内フローラが整い免疫力があがる
・花粉症が緩和される
などたくさんの効能があり、別名「飲む美容液」ともいわれるスーパードリンクなのですね。
しかし、一番大切なのは
毎日、米麹の甘酒を飲むこと。
これにつきます♪
毎日甘酒を飲んで、暑さに負けない元気な体をつくっていきましょう!
信州イゲタ味噌醸造蔵元 酒の原商店
5代目女将 原 有紀
(日本発酵文化協会認定 発酵プロフェッショナル)