お知らせ

剣菱酒造様に発注した木製道具「甑(こしき)」が完成し、当蔵に嫁入りしました。

6月中旬、兵庫県神戸市にあります剣菱酒造さんへ、原商店の木桶の甑(こしき)を受け取りに行ってきました。

原商店の信州イゲタ味噌は、創業当初から造りを変えず今に伝えている味噌蔵です。製法も受け継がれてきましたが、醸造道具も、昔ながらのものを、今でも大切に使い続けています。

醸造に使われる蒸し器を「甑(こしき)」と言い、木製の甑を使用しています。


味噌、甘酒の製造の根幹である米麹は、蒸米の質が麹の出来を大きく左右します。木桶の甑は、余分な水分を木が吸ってくれるため、安定した蒸米が出来上がります。今後もこの製造方法と味を継承していくために、次の木桶を探していた5年前、小豆島のヤマロク醤油五代目山本康夫氏が2012年に立ち上げた「木桶職人復活プロジェクト」を発見し、さっそく山本氏に会いに2020年1月、小豆島へ渡り相談。

ヤマロク醤油では小型の甑は作ったことがなく、剣菱酒造でなら可能かもしれないということでご紹介いただきました。同年2月、甑制作のお願いに家族総出で伺ったところ、快く引き受けていただくことになりました。

2021年4月、木桶の制作をするとのことで女将が4日間剣菱酒造さんへ出向き、手伝いに来てくださった小豆島の「木桶職人復活プロジェクト」のメンバーと木桶の甑を制作しました。

現在、制作現場のタイムラプス映像を公開しています。

組み立て後、最終調整の期間を経て、ようやく6月末に神戸へ向かい、無事、木桶を引き取ってきました。

木の選別から乾燥、製造に至るまでフルオーダーメイドで450 日かけて完成した“剣菱史上初の取り組み”にして“世界にひとつ”の木桶が原商店の甑として誕生しました。

そこで、この貴重な新木桶の甑を当店のお客様をはじめ、皆様にも見ていただきたいと考え、2021年7月1日~25日まで、原商店の店頭にて展示させていただきます。

この機会に、今ではなかなか見ることが出来ない「新品の木桶」をぜひご覧ください。

関連記事一覧