夏バテ防止に!「飲む点滴」甘酒の秘密【その①】
6月になって急に暑さが増してきました。コロナ禍で、暑いのにマスクを外せない毎日で熱中症が心配されています。夏の暑さは、熱中症も引き起こしますが、夏バテも心配されます。
では、夏バテはなぜ起こるのでしょう?
■夏バテの3大原因
①水分ミネラルの不足
蒸し暑い今頃の時期は、汗を大量にかきますよね。その汗によって、体の水分やミネラルも体外へ排出され脱水症状が起きやすくなります。
②室内外の温度差
猛暑の室外と、冷房の効いた涼しい室内の温度差が大きいと、体温の調整がうまくできなくなり、体が、だるく重くなってくることがあります。
③胃腸の働きが悪くなる
暑いからと冷たいものを摂りすぎると、胃や腸の働きが弱くなり、食欲が落ちてしまうことがあります。食欲がなくなると十分な栄養が摂れず疲れやすくなります。
■甘酒が「飲む点滴」と言われる由縁
甘酒がいつから飲まれていたかはっきりとはわかっていませんが、日本書紀のなかに、現在の甘酒の原型とされる「醴斉(こせい)」(一夜酒‐ひとよさけ‐とも呼ばれている)が飲まれたという記録が残っているそうです。
平安時代になると貴族たちの間で甘酒が飲まれるようになります。
室町時代には、甘酒を売り歩く人が出始め、貴族以外の人たちにも広まり始めます。
江戸時代になると、町には様々なモノを売り歩く行商が盛んになります。その当時の庶民の暮らしを記した「守貞漫稿」では、夏に売り歩く行商のトップに「甘酒売り」が君臨します。夏の夜には、金魚売りのように桶にいれた甘酒を「甘い・甘い・あ~ま~ざ~け~」と売り歩く行商の姿が見られたと表現されています。
この頃、酒が一八文に対し、甘酒は四文と酒の四分の一以下の価格で販売されており、体の弱い人のために、幕府が保護をしていたようです。ちなみに、甘酒が庶民の栄養補給になると、貴族はウナギを食したといわれています。なるほど。
このように、江戸時代には夏を乗り切る栄養ドリンクとして庶民に浸透していった「甘酒」は、俳句の夏の季語として、現在も受け継がれています。
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信州イゲタ味噌醸造蔵元 酒の原商店
5代目女将 原 有紀
(日本発酵文化協会認定 発酵プロフェッショナル)