コラム

発酵食品と免疫力

免疫とは?

免疫とは、体外から細菌やウイルスなどが侵入してきたときに、それらを監視し撃退してくれる自己防衛システムのことです。つまり、ウイルスなどが侵入してくると、体の免疫システムが働き、侵入してきた異物から体を守ってくれるわけです。もし、免疫システムが体から無くなったとしたら、私たちはすぐに何らかの病気にかかってしまいます。ちなみに、免疫システムは15歳までに出来上がり、20歳を超えると免疫力は落ちて来るそうです。

免疫力と腸の関係

結論から言うと「免疫力を上げるカギは腸にある!」です。
昨今、免疫力を高めるために腸が重要な働きをしていることが多くの研究によりわかってきました。食べ物は、口から食道を通り胃に入り消化されます。そして腸で体内に吸収されますね。ウイルスや細菌も同じ経路で(ウイルスは鼻からも入ってくるよ)体内に侵入してきます。体内に侵入してきたウイルスは腸内に常在している「免疫細胞」が撃退し体を守ってくれます。腸の壁の内側には、免疫細胞が集中していて、体全体の免疫細胞の約7割が腸に集まっているそうです。ということは、免疫力を上げるには、腸内環境を良くすることが重要ということになります。

免疫力を上げるには?

まずは、栄養バランスの良い食事をとりよく寝ることです。免疫力が下がってしまう要因の一つにストレスがあるので、ストレス解消も大切なことですね。

そして、先ほども述べましたが、免疫力を上げるのに特に重要なのが「腸内環境をよくする」ことです。腸内には常在している善玉菌と悪玉菌がいます。腸の働きを活性化させ、人の体に対し有用な働きをする菌が善玉菌で、腸内の環境を悪くし、人にとって健康を害する菌を悪玉菌と呼ばれています。「発酵」と「腐敗」の定義に似ていますね。腸内に生息する善玉菌が持つ効能の中には「体の免疫力を高める」という性質があります。ということは、善玉菌が増えれば免疫力も上がる事になります。
では、どうしたら善玉菌を増やすことができるのでしょう?

善玉菌を増やすには?

善玉菌を増やすには、善玉菌を含む食品と善玉菌にエサになるものを摂ることが効果的です。味噌やヨーグルト、キムチ、納豆、ぬか漬け、チーズ、塩こうじなどには、乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌、麹菌などの善玉菌が含まれています。善玉菌の好物(エサ)はオリゴ糖や食物繊維などです。

米麹の甘酒には免疫力を上げる栄養素が豊富に含まれています。甘酒の栄養素は、ブドウ糖、オリゴ糖、アミノ酸(必須アミノ酸)ビタミンB群、そして、食物繊維が豊富に入っています。なので、私の一番のおすすめは、朝食に「甘酒ヨーグルト」です。甘酒1:ヨーグルト(無糖)1、これを混ぜて飲むだけで、善玉菌に最高のエサになります。これは、私が「糀あまざけ」を商品化した15年前から、お客様におすすめしているメニューでもあります。自分で試してみて、明らかに便通がよくなった!ということでおすすめしていました。その時は免疫力が云々…とは、まったく考えていなかったのですが、実は腸内環境を改善していたというわけですね。

食物繊維は腸をきれいにしてくれますが、特に、きのこや海藻類、こんにゃく、いも類などに多く含まれる水溶性食物繊維を摂ることがより効果的です。
ただし、一日だけ発酵食品や食物繊維を摂ればいいわけではありません。毎日続けて摂ることが重要です。女学生の皆様にはしつこいくらいに(笑)伝えていますが、お味噌汁は是非毎日飲んでもらいたいものです。特にキノコやわかめ、野菜の沢山入ったお味噌汁はおすすめです!

まとめ

腸内環境を改善して免疫力を上げる!
規則正しい生活と食生活、そして発酵食品の摂取を心掛けるだけで病原菌に強い元気な体になれます。食欲がないときは、日本酒を食事の前に少しだけでも飲むと、食欲増進しますよ☆
その他には適度な運動やぐっすりと眠ることなどがあげられています。
「笑う」ことも免疫力が上がるといわれていますね♪

信州イゲタ味噌醸造蔵元 酒の原商店
5代目女将 原 有紀
(日本発酵文化協会認定 発酵プロフェッショナル)

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